2010.12.20
野蛮の世紀 L'ENSAUVAGEMENT
(著)テレーズ・デルペシュ
(訳)中谷和男
PHP研究所
フランスの最高峰フェミナ賞受賞作品
20世紀は史上最悪の「野蛮の世紀」である
二回の世界大戦、ナチ・ソビエトの収容所
国家による虐殺、植民地支配
そして原爆などで
一億一千万人の戦闘員と一億七千万人の市民が亡くなった
実際はもっとだろう・・・
テレーズ・デルペシュは
それらに関するエピソードを次々に取り上げる
悲劇を「忘却」することで
悲劇は教訓にならず、再び繰り返される
人々が互いにどこか遠くの出来事としか認識出来ずにいる現在
21世紀ではバーバリズムが速度を上げ
増大しているのではないかと危惧する
テロリズムの拡大
北朝鮮・パキスタン・サウジアラビア
シリアなどの大量破壊兵器の拡散
中国の覇権主義
ロシアの保守化など・・・
政治・文化・モラルの退化、人間性の喪失が脅威となる
過去に向き合い
悲劇を蘇らせる事で世界の安全弁になるのではないかと説く
流れるような文章ですらすらと読む事ができ
一気に読めるので思考が付いて行かず
続けて二回読んじゃいました(笑)
全世界で起こった事や、起こっている事を巧みに取り入れているので
世界情勢の勉強にもなりますし
アメリカ的な方法論とは違った、いかにもインテリなヨーロッパ思考を堪能出来ます(笑)