2018.05.12
・・・・・この漫画がすごい
何とも言えぬノスタルジックで特徴的な絵柄
島田虎之介『東京命日』全1巻
この漫画がすごい!
あらすじ
日本を代表する映画監督
小津安二郎の命日に
墓参りするため円覚寺に集まるファンがいる
その様子をフィルムに収める
コマーシャル制作会社の新人小林清
ストーカー被害に悩むストリッパー薮ケイト
母親が誰なのかと悩む戸田ナツ子
広告代理店の敏腕プロデューサー安土四十六
同じ時間を共有し生きる者達の
それぞれの物語が小津安二郎の墓石の周りで動き出す・・・・・
漫画をなめてはいかんのだ
登場人物達の小さな過去の物語が一つに収束し
今を形成し始める
簡単なお話のようであるが
その表現の仕方が映画のようで
時間軸を前後にシャッフ ルされた形で描かれた作品
なので
一度読んだだけでは理解に苦しむ
かといって複雑ながら難解な印象はなく
繰り返しページを行ったり来たりしながら
「なるほどね」
なんていつの間にか楽しんでいる自分がいたりして・・・
物語を楽しむ漫画なので
単純娯楽としての漫画であれば駄作だし
全く読みやすい作品ではないが
複雑に織り込まれた物語が好きな人には
たまらない作品だと思う
松本大洋、大友克洋、古谷実、カネコアツシ他と
出会った時のような喜びの感情が感じられた
島田虎之介氏の作品をもう少し追っかけてみようっと(笑)